施政方針について

平成30年度施政方針をご覧いただけます。
施政方針

 本日ここに、平成30年東根市議会第1回定例会において、新年度予算を始め、重要案件の審議をお願いするにあたり、私の市政運営に対する所信の一端を申しあげ、市議会並びに市民の皆様のご理解とご支援を賜りたいと存じます。

 さて、昨今の国際情勢は、一部に保護主義の動きが見られるものの、国境という枠を超えた自由経済とそれに伴うヒトやモノ、資金や情報などの往来が急激に増加し、グローバリゼーションが進展しております。
 また、一方では、国際秩序の不安定さが生み出す安全保障の課題をはじめ、地球温暖化、難民やテロなど、国際社会の新たなテーマが顕在化しております。
 国内においては、訪日外国人客数が、2011年には、622万人だったところ、円安やビザ発給の緩和等の後押しもあり、2017年は政府の当初予想を遥かに上回る2,869万人となりました。今後も増加傾向は続き、政府の目標では、2020年には4,000万人、2030年には6,000万人と訪日外国人客数の大幅な伸びを見込んでおります。
 また、関税措置の見直し等、自由貿易が進展するなか、安い海外農産品に対する国内農業の保護が求められる一方で、毎年、農林水産物の海外輸出額は過去最高額を更新しております。国は、農業を成長産業に変えていくため、海外市場の拡大を押し進めております。
 地方自治体においても、社会・経済・観光等、様々な分野において、グローバル化の波が必ずや押し寄せてくるものと捉えております。このグローバル化に適切に対応できるかが、これからのまちづくりの発展の大きな鍵となると考えております。
 そういったなか、今年度は、「国際交流元年」と銘打ち、本市の国際化に向けて、私自身が先頭に立ち、確かな足掛かりを築いて参りました。
 市内立地企業の親会社がドイツのインゲルハイム・アム・ライン市にある縁と、さくらんぼの生産や農工一体のまちの姿が本市と似ていることから、当該都市を海外自治体交流の相手先に定めたところであります。また、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催効果を本市に波及させるため、国のホストタウン制度に名乗りを上げ、ドイツのハンドボールナショナルチームの事前合宿招致を目指すこととしました。昨年7月には、私と前市議会議長、さくらんぼ国際交流協会役員とともに、ドイツを訪問し、インゲルハイム・アム・ライン市のラルフ・クラウス市長、並びにドイツハンドボール連盟のボブ・ハニング副会長を表敬訪問し、意見交換を行って参りました。この訪独が功を奏し、クラウス市長からは、本市の市制施行60周年記念式典への出席を快諾していただき、ボブ・ハニング副会長からは、今年の夏に本市への視察を約束いただきました。これらの成果により、ホストタウン登録がなされたことはご案内のとおりであります。ホストタウン事業としては、新年度は、ドイツハンドボール2部リーグ所属のプロチームを招聘する予定であり、また、都市間交流としては、クラウス市長が来市する予定であります。市民の皆様とともに、より一層、ドイツとの交流の拡大と深化を図って参ります。

 東根創生を掲げた総合戦略では、「教育によるまちづくり」を柱に掲げ、子どもたちへ教育を通した未来への投資を行っております。子どもたちが国際的視野と感覚を養い、技術立国日本を支える有為な人材に育ち、新しい時代を切り拓いてもらいたいと願っております。
 人材への投資は、見えにくく、効果がすぐに現れるものではありませんが、私は、信念を持って人材への投資を実施し、「ひと」をつくることによって、その「ひと」が「まち」や「しごと」をつくり、その「まち」や「しごと」が新たな「ひと」を呼び込むといった好循環を生みだす、確かな東根創生に繋げていきたいと考えております。

 来年度は市制施行60周年の節目の年を迎えます。新市建設以来、60年間、「農工一体のまちづくり」や「中心市街地の形成」など、その時代折々のまちづくりの重要課題に果敢に取り組み、まちの骨格を築き、着実な成長を遂げてきました。その発展の陰には、今日の東根市の発展の礎を築いた多くの先人の叡智と努力があります。この節目の年を迎えるに当たり、先人のまちづくりに捧げた労苦と功績を称え、そして更なる飛躍に向かう契機にしていきたいと考えております。

 本年度の主な重点施策を総合計画に掲げた体系に基づき、説明いたします。

 最初に「だれもがやすらぎと充実、しあわせを実感できるまち」について申し上げます。

 これまで、「子育てするなら東根市」を標榜し、さくらんぼタントクルセンターやあそびあランドの遊育施設の整備、先導的に拡充してきた子どもの医療費助成、休日保育等の多様な保育サービスの提供、保育料の負担軽減など、子育て環境の充実を市の重要施策に掲げ、ハード・ソフトの両面から重点的に施策を講じて参りました。これらの施策は、市内外から高い評価を受け、転入者に行っているアンケートでは、「子育て環境が充実しているから」が常に転入理由の上位に位置しています。
 日本の人口減少問題は、最も深刻で切実な問題であります。少子化に歯止めをかけ、夫婦が希望する子どもの数、更には人口が維持できる水準まで、出生率を上げることが必要であり、出会い、結婚、出産支援も含めて、一層の子育て環境の充実を図って参ります。

 近年、顕著になっている労働力不足を補うため、潜在している女性の労働力を掘り起こそうとする動きが社会全体で強まっております。そのためには、女性が働きやすい環境の整備が必要であり、とりわけ、保育施設の整備が強く求められております。本市では、急ピッチで保育施設の整備を進めており、新年度においては、(仮称)認定こども園おだしま、(仮称)あおぞらこども園など、四つの保育施設を開設いたします。併せて、現在施設の更新整備を進めている東根学童保育所及び高崎学童保育所を開所し、さらには、小田島学童保育所、大森学童保育所の整備を進めるとともに、神町学童保育所の施設更新にも着手いたします。
 一方で、保育所等の入所申込者は急激に増加しており、待機児童の膨らみが危惧されるところであります。特に3歳未満児の待機児童が本市を含め全国的にも大きな課題となっております。そのため、東根市では既存保育施設での2歳児の受け入れ枠を増やすとともに、企業主導型保育事業所などの情報提供等を実施しながら、待機児童の縮減、解消に向けた取り組みを実施して参ります。

 また、ひとり親家庭の子どもの健全育成を図るため、子どもと親に対し、基本的な生活習慣の習得支援、学習支援を実施することにより、進学と生活の自立を手助けして参ります。

 高齢者福祉の充実については、高齢者が住み慣れた地域で生涯にわたっていきいきと暮らすことができるまちの実現を目指し、現在、東根市老人福祉計画及び第7期介護保険事業計画の策定を進めております。介護サービスの給付と保険料の負担のバランスに配慮し、2025年を見据え持続可能な介護保険制度の運営に努めて参ります。
 高齢化の進展に伴い、介護職員の不足が懸念されることから、介護報酬改定による給与増額など処遇改善に取り組んでおりますが、一層の介護職員の確保と定着を図るため、キャリア形成を支援して参ります。

 次に「環境、自然、歴史、文化が調和する風格とうるおいのあるまち」について申し上げます。

 東根小学校周辺では、大けやきをはじめ、豊かな自然や水辺空間、歴史を感じさせる寺社が多く、これら地域資源を生かし、景観に配慮した道路の整備等、地域の魅力の向上を図って参りました。さらに新年度は、東の杜資料館のリノベーションにより、憩いと安らぎを感じさせる中核的交流施設が誕生します。和風建築のたたずまいと敷地内の堰や庭木等の修景施設が、優雅で落ち着いた風情を醸し出し、茶道や華道等、様々な芸術文化活動の発表や鑑賞等ができ、高い満足感がもたらされるものと考えております。また、洗練された展示設備を整備し、貴重な郷土資料を展示するとともに、本市出身の児童文学者、国分一太郎氏に関する資料や自身が関わった想画を広く紹介し、後世に伝えて参ります。

 近年、世界各地で頻発する様々な異常気象と大規模な自然災害は地球温暖化が原因の一つと考えられております。
 東根市は、県内自治体の中で、いち早く環境ISO14001の認証を取得し、以後、今日まで、唯一、継続して認証を受け、環境保全に関する取り組みを学校や家庭等にも積極的に広げて参りました。これまでの継続した活動が今年度の「グリーン購入推進自治体特別賞」の受賞に繋がったものであります。
 他にも環境保全に対する先駆的な取り組みとして、街路灯のLEDへの切り替えを市内全域で進めております。来年度が事業の最終年度であり、設置工事を着実に進め、故障等については、地域に過度な負担が生じないよう配慮して参ります。
 その他にも太陽光発電システムへの設置補助については、再生可能エネルギーの普及を図るため、新年度から太陽光発電システムと連動する蓄電池の整備を促し、一層の環境負荷の低減を図り、持続可能な社会の構築を目指して参ります。

 次に「魅力にあふれ、にぎわいと活力に満ちたまち」について申し上げます。

 山形空港は、今日の本市の発展を牽引してきた最も重要な交通施設であり、交流人口の拡大やインバウンド観光の推進等、これからの本市の発展を展望するにあたり、運航の充実と利用拡大は必要不可欠であります。
 その山形空港は、本市並びに山形空港利用拡大推進協議会等の官民挙げての取り組みや景気の回復が後押しして、路線・便数が増え、搭乗率も全体的に好調に推移しております。特に東京便については、搭乗率が上がり、近年は路線収支が黒字で推移しております。しかしながら、当該路線は、「羽田発着枠政策コンテスト」で獲得した暫定路線であり、来年度で延長期間が終了します。2便での運航を継続していくためには、当該路線の安定的な収支黒字が不可欠であります。今般、運航会社では好調な利用実績を背景に、この春から大型機材を導入することを決定しました。これは路線の黒字化、固定化に向けて、大きく前進するものであり、大型機材導入に対する支援や環境整備を山形空港利用拡大推進協議会とともに実施して参ります。
 路線が復活した名古屋便、札幌便についても、路線の固定化に向けて、利用拡大に取り組んで参ります。特に札幌便については、春先から好調な滑り出しを見せたものの、やはり冬場の利用が課題であります。冬期間に「ソラ旅ツアー」などの、魅力ある旅行商品を企画し、各種助成制度を設けながら、一層の利用拡大を図って参ります。

 次に、都市基盤の充実についてであります。

 国道48号は、先の東日本大震災において、山形空港を経由した緊急支援物資の輸送等で極めて重要な役割を果たし、太平洋と日本海を繋ぐ産業振興の上でも重要な路線であります。しかしながら、規定雨量を超えれば通行止めになる等、天候に左右される脆弱性が露呈しております。私は市長就任以来、仙台圏とのアクセス性を高めるため、国道48号の高規格化を訴え、本市の重要要望に掲げ、特に力を入れて運動を展開して参りました。私は、当面の対策として、事前通行規制区間、つまりは関山除雪ステーションから作並除雪ステーションまでの12キロ区間についてトンネル等によるバイパス化の整備を提案しております。これについては、仙台市からも一定の理解をいただき、仙台市、天童市、東根市で構成する「国道48号道路改良整備促進協議会」が東北地方整備局に提出する要望書に「事前通行規制の解除に向けた調査・検討を本格的に行うこと」の一文を織り込ませ、着実な前進を見たところであります。
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックが終了し、人件費や資材単価の高騰が一段落した時点で調査事業に着手していただくよう、今後とも熱意を持って、粘り強く運動を展開して参ります。

 東北中央自動車道の建設にあたっては、来年度、(仮称)東根北インターチェンジが完成し、東北自動車道福島ジャンクションから繋がることにより、高速道路の利便性が一段と向上します。県道等、アクセス道路が秋頃に完成する予定であり、新たな人・物の流れが生みだされるものと捉えております。今後、西部地区の一層のアクセス性を高めるため、長瀞地区と小田島地区を結ぶ県道長瀞野田線の整備について、早期着手を強く県に要望して参ります。

 次に道の駅についてであります。道の駅は道路利用者に快適な休憩と道路情報等を提供し、道路交通環境の向上に寄与するだけでなく、地域活性化の拠点施設としても位置付けられてきております。東北一の販売額を誇る東根市農協の産直施設「よってけポポラ」が本市の広域幹線ルートに開設されております。このため、当該施設のもつ魅力を生かし、また道の駅が有する機能との相乗効果が図られる新たな交流拠点の整備を目指して参ります。特に、仙台圏をターゲットに、山形の陸の玄関口となるような道の駅の整備を図って参ります。新年度は、道の駅の基本計画の策定に着手して参ります。

 市道整備は地域からの要望も多く、最も身近で生活に密着したインフラであります。これまで同様、道路拡幅、歩道設置、側溝整備など、市道の改良を順次、進め、安全性、利便性の向上に努めて参ります。

 次に、農林業の振興についてであります。

 昨年4月に国の地理的表示保護制度、いわゆるGI登録として、「東根さくらんぼ」が知的財産として登録されました。日本一の生産量を誇り、佐藤錦の発祥の地という歴史があり、高い栽培技術と恵まれた自然環境、さくらんぼにこだわったまちづくりが評価を受け登録に至ったものであり、東根ブランドの強力な発信となったものと自負しております。東京築地市場で初めて行われた品評会では、ご祝儀相場もあり、1キログラム30万円など、次々と高値が付き、会場がどよめきました。また、収穫後期も値崩れがせず、東根市農協の販売額は過去最高となり、早速、農家所得の向上に大きく寄与しております。
 EUとの経済連携協定において、地理的表示保護がEUでも実施されることに決定し、GI登録産品のうち「東根さくらんぼ」も選定されております。国内に限らず、海外においても、差別化が図られ、ブランドの確立や海外市場の開拓・拡大、インバウンド観光の推進に向けて、大きな強みになったと考えています。「高品質のさくらんぼ=(イコール)東根産」というイメージをより確かなものにするために、高品質の維持に努めながらも、一層の知名度の向上に向けて、国内外でのトップセールスやさくらんぼマラソン大会を通じたPR等、積極的にプロモーション活動を展開するとともに、海外市場の調査の取り組みを進めて参ります。
 また、本市には、果樹研究連合会に代表されるように、進取の気性を持つ若手農家が多く、栽培技術の研鑽や新品種の導入等の取り組みが積極的に行われております。農家の中には6次産業化や海外輸出に取り組む意欲的な農家も生まれてきております。意欲と経営マインドをもった農家を後押しするため、ビジネススクールの開催や6次産業化の取り組みに対する補助を実施するなどし、攻めの農業を積極的に推進して参ります。

 一方で、農業従事者の高齢化や離農により耕作放棄地が増加するなど、担い手不足による様々な問題が顕在化してきております。担い手の確保・育成が重要な課題でありますので、新規就農への支援やさくらんぼの繁忙期での一時保育の実施、学生や仙台住民を対象にボランティアの募集等、幅広い担い手確保対策を講じて参ります。

 新年度は、約50年間続いた国による米の生産調整が廃止され、自由に栽培できるようになります。生産調整廃止は、生産性向上や市場競争力を促すといわれておりますが、作付段階での需給調整が無いため、過剰供給による大幅な値崩れや産地間競争の激化を心配する声も上がっております。そういった不安を払しょくし、農家が安心して米作りができるように、農業再生協議会のもと、行政と農協等、関係機関・団体が一体になって、農家毎に生産の目安を示すことで、安定した農家経営の維持、地域営農の存続を図って参ります。

 次に、商工業の振興についてであります。

 本市の基幹産業の一つである工業は、県内第2位の製造品出荷額を誇り、産業経済を力強く牽引するとともに、税収や就労の場の確保など、本市の発展に大きく寄与して参りました。
 企業立地や設備投資に大きな役割を果たしてきた農村地域工業等導入促進法に基づく、固定資産税の優遇措置に係る減収補填措置が平成21年に廃止されたことから、私は国に対して、制度の復活や企業立地促進法による課税免除に係る取得資産の要件緩和を強く訴えて参りました。
 粘り強い要望活動が功を奏し、昨年7月に地域未来投資促進法が施行され、課税免除の対象となる設備等の取得価格の要件が、大幅に引き下げられたことを受け、課税免除条例の改正を行なったところであります。また、立地企業の敷地面積の占める緑地等の面積要件を緩和し、生産性向上に直結する工場や各種設備の設置を可能とする、本市独自の工場立地法準則条例を制定いたしました。景気はゆるやかな回復傾向にあり、市内の企業においても大規模な設備投資が計画されておりますが、この制度の活用によって、さらなる企業活動の活性化が期待されるところであります。
 一方で、法人税の実効税率が段階的に引き下げられ、企業の税負担が軽減されることに着目し、企業奨励補助制度の見直しを行ったところであります。
このように、これまでの補助金を中心とした企業支援策に加えて、さまざまな面から総合的な支援策を講じることによって、企業活動のさらなる活性化を図って参ります。

 本市は、昨年4月にコワーキングスペースC&Cひがしねを開設し、運営を山形大学に委託しているところであります。C&Cひがしねの利用者数は、昨年で一千名を超え、毎月開催しているセミナーには、新規創業を志す市民が大勢参加しております。
 また、山形大学独自のネットワークによって、市商工会工業部会とものづくりの町として知られる東京都大田区などの中小企業異業種交流グループとのつながりが生まれております。今後、産業経済活性化の担い手である、産・学・官・金の連携を深め、これを創業支援、ひいては産業振興に結び付け、東根創生を進めて参ります。
 
 次に、観光の振興についてであります。
 
 冬期間に大勢の人でにぎわうイベントを創設するため、今年度から、ひがしねウィンターフェスティバルを開催したところであります。開催に当たって、市内の企業や団体から多大なるご支援をいただき、まなびあテラスを7万5千球の電球をはじめとする色とりどりのイルミネーションで装飾し、幻想的できらびやかな空間を創出したところであります。
 このイベントは、インターネット上のランキングにおいて、期間中、上位にランクされたところであります。冬の東北は雪に覆われ、暗いイメージを持たれがちですが、ウィンターフェスティバル開催によって、東根の明るく華やかなイメージを、市内外に広く発信できたものと捉えております。
 イルミネーションをご覧になった本市出身の方から、次のようなコメントが寄せられました。「就職でふるさと東根を離れたが、かつてこの町にはあまり魅力がなかった。まなびあテラスと鮮やかなイルミネーションを見て、魅力的に発展した今の東根を誇りに思う。」この方は、おそらく帰省されたときに立ち寄られたのでしょう。
 ひがしねウィンターフェスティバルについては、このような声に応えるため、来年度以降も、イルミネーションの面的な拡大を図り、より一層の魅力向上につなげて参ります。

 ひがしね祭については、七夕提灯パレード、みこし、そしてバラエティに富む踊りで、大きなにぎわいを生み出してきました。特に、勇壮なよさこい踊りは、躍動感にあふれ、踊り手と観客の一体感醸成に一役買ってきたところであります。しかしながら、近年は、団体及び踊り手が減少する傾向にあります。踊りの競演、そして祭り全体を盛り上げるため、よさこいの踊り手育成に向けた支援を行って参ります。

 また、訪日外国人観光客の増加や、さらなる観光振興を視野に、観光関連団体による観光施設の整備や誘客を推進する活動等に対して補助する新たな制度を創設し、より一層、観光等による交流人口拡大を図って参ります。

 次に「こころ豊かな人が輝く教育と文化のまち」についてであります。

 教育によるまちづくりを掲げる本市にとって、一昨年、開校した東桜学館中学校・高等学校は、最もシンボリックな施設の一つであり、今後、経験と実績を積み上げ、県内の中高教育を牽引していく教育機関に成長していくことを期待しております。市内5つの中学校には、互いに刺激し合いながら高め合ってほしいと考えており、今後も学力向上支援員や教育支援専門員の配置、学習支援ボランティアの派遣を継続して実施し、市全体の教育の底上げを図って参ります。また、理数英教育については、市内の小中学生を対象に、イングリッシュキャンプやサイエンスアカデミー、算数・数学チャレンジカップを開催、8月からは、ALTを2名増員し、7名体制とするなど、充実を図って参ります。現在、ドイツとの交流を進めておりますが、新年度は、交流推進課に配置したドイツ国籍の国際交流員の各地域や各学校への派遣や、学校図書室におけるドイツコーナーの設置やドイツ給食の提供等、本や食を通し、ドイツへの理解と親しみを深めて参ります。また、特色ある学校経営事業にオリンピック・パラリンピック関連教育活動枠を新たに設け、市内小中学生の2020年東京オリンピック・パラリンピックの機運醸成に努めて参ります。

 学校施設整備については、新年度、神町小学校の移転用地の造成工事と実施設計を行い、大富中学校においては武道場の竣工を目指して参ります。また、昨年度から実施しているトイレリニューアル工事や小中学校の駐車場整備、施設の長寿命化に向けての修繕工事等、学校施設の充実を図って参ります。

 昨年オープンしたまなびあテラスは、開館1年で30万人の来館者を数え、大変な好評を博しております。6月には、照明学会が主催する「照明普及賞」の受賞、11月には、山形経済同友会が主催する「地域づくりの山形景観賞」において、「山形経済同友会賞」を東根市では初めて受賞しました。特に、経済同友会賞は、施設の景観だけでなく、民間の創意工夫により、図書館・美術館・市民活動支援センターの各機能が相乗効果を発揮し、魅力的な運営がなされ、市内外から幅広い利用が図られていることが高く評価され、受賞に至ったものであります。この賞は、かねてより、切望していた賞だけに、大きな喜びと誇りを感じております。
 また、PFIの民間事業者のノウハウを生かした企画や朝霞市の丸沼芸術の森のご協力により、全国屈指の美術展等が開催されております。関係各位のご協力により、充実した展覧会やイベント等が実施されていることに、改めて感謝を申し上げるとともに、一層の芸術文化の振興に努めて参ります。

 人口減少、少子化を背景とした学校の統廃合は、地域のシンボルである小学校がなくなることは、住民感情の問題だけでなく、人口減少の加速化に繋がる恐れもあります。そのような現状を踏まえ、高崎小学校に他学区から通学することができる小規模特認校制度を導入して、今年度で3年目を迎えております。この制度による就学児童は毎年増えており、現在22名が他学区から通学しております。さらに他学区からの卒業生が、そのまま第三中学校に通う例も出てきております。学校教育を通じて、保護者・子どもと地域との繋がりが進学を後押ししたものと捉えており、こういった繋がりを持った人が増えることによって、地域振興が促されていると考えております。

 高崎地区アフタースクールや東郷・長瀞地区の放課後子ども教室は、地域住民による企画・運営のもと、多彩なメニューを提供し、様々な体験や交流を通じて、子どもたちの豊かな人間性を育んでおります。地域の皆様から多大なご協力をいただいておりますことに、改めて感謝申し上げる次第であります。

 最後に「市民みんなで力をあわせる協働のまち」について申し上げます。

 東根市は、全国でもいち早く「協働のまちづくり」を市政の基本方針に掲げ、まちづくりを進めて参りました。「市役所は市民の役に立つ所」であり、市長就任以来、職員には常に市民目線で業務を行うよう指示し、市民本位の行政運営に努めて参りました。
 市民においては、福祉、防犯、環境等、行政だけでは解決できない、様々な分野で、行政の重要なパートナーとして活躍をいただいております。少子高齢化の進行や周辺部における人口の流出、地域産業の低迷、社会保障負担の増など、地域活力が失われかねない中、市民力・地域力の維持・向上は、地方創生における極めて重要なテーマであります。そういったことから、地域づくり補助金や交付金制度を活用し、地域への関心を高め、互いの絆を強め、活動の輪の広がりを促して参ります。

 市内中央部には、人口が集積する一方で、周辺部では人口の流出、少子高齢化の問題が顕在化しております。地域の均衡ある発展を進めるため、新年度は、定住促進事業の地域加算額等を増やし、市外から周辺部への移住を促して参ります。

 基本的な行政サービスを提供し、その上で特色ある行政サービスを展開するには、何より経済的基盤である財源が確保されてなくてなりません。安定した自主財源、その根幹をなす市税収入については、経済成長による所得の向上や設備投資の促進など、税源の涵養を図るとともに、市有する未利用土地等の積極的な売却、首都圏を中心としたPRや寄付者のリピート率向上につながる取り組みなど「ふるさと納税」の継続的受け入れ、高い収納率の維持等、今後とも積極的に歳入の確保に努めて参ります。歳出については、既存事業の不断の見直しを図るとともに、選択と集中により、財源の重点的配分と事業費の効率的執行に努めて参ります。
 また、簡素で効率の良い行政運営を目指し、職場での働き方を見直しながら、労働生産性の向上とワークライフバランスに配慮した働き方改革を進めて参ります。

 昨年11月20日、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、政府による地方自治法施行70周年記念式典が執り行われ、地方自治の充実・発展に寄与した市町村を称える表彰式がありました。東根市は山形県内の市を代表して、栄えある総務大臣表彰を受けました。大変名誉ある受賞で、市民とともに、喜びを分かち合いたいと思っております。この伸展した東根市の姿を思う時、東根市の誕生から、常にその歩みを見てきた、そして、体現してきた者として、大変、感慨深いものがあります。この賞の受賞を機に、一層の市政発展と住民福祉の向上に努めて参りたいと、決意を新たにするものであります。そして、来年度は、市制施行60周年で、人でいえば、「還暦」にあたり、誕生年の干支に一巡して戻る大きな節目の年になります。この節目の年を新たな飛躍の出発点とし、躍進する東根市をさらに前進させ、真に成熟した社会の実現に向けて、心血を注いで参る覚悟であります。
 今後も、私は4万8千人の市民の先頭に立ち、持てる政治力、行政力を結集し、しっかりと、まちづくりに取り組んで参る所存でありますので、議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご協力を申し上げ、以上、平成30年度の施政方針といたします。