平成29年11月 北村山公立病院 産婦人科分娩休止を考える

平成29年11月 北村山公立病院 産婦人科分娩休止を考える

北村山公立病院 産婦人科分娩休止を考える

 最近、マスコミをにぎわした北村山公立病院の産婦人科分娩休止について、市民や北村山地域住民の皆様方に心配をおかけしておりますが、謹んでご報告申し上げます。

 この件に関しては、当病院の院長先生(産婦人科分娩担当医)が来年3月をもって定年を迎えることから、数年前から本部の日本医科大学、並びに山形大学医学部付属病院などに働きかけ、後任を探してまいりました。しかしながら今もって見つからず、来年の4月以降に出産予定日を迎える方に当病院での分娩は不可能であることを早めに知らせるため、やむなく山形新聞のインタビューに応じ、8月18日の朝刊に掲載と相なった次第であります。心からお詫びとご理解をお願い申し上げます。

 ところで産婦人科分娩医不足は、今や全国的な問題となっております。その原因の一つは、平成13年、小泉内闘の誕生により規制緩和や聖域なき構造改革など、一連の政策を打ち出したことによるものです。医師になるためには、6年間の基礎教育を経て、研修医として医療現場で指導を受け、その後、希望する専門教育を受けます。つまり医師になるには10年の時を要します。
 小泉内閣は、研修医の研修先の自由化を打ち出しました。それまでは、自分の大学で初期、専門教育を受け、医局制度のもと勤務医は特定教授の指示により勤務先が決められていました。自由化により、今は大学に研修医として残るのは50%程度で、これにより地方の勤務医は不足をするようになりました。当病院においても、平成14年には37人いた医師か現在25人になり、医師不足か深刻化しています。全国的な傾向であり、政府におかれましては、この状況を鑑み、医局制度を復活させるなり制度設計をお願いしたいと思います。

 もう一つは、最近の医学生は産婦人科や脳外科など、医療訴訟が起きやすい科目については敬遠する傾向にあります。加えて産婦人科については、女医の割合か多く、結婚すれば家庭におさまり、不足に拍車がかかり、現場の負担が大きくなります。このようなことを鑑み、国・県においては、集約化をすべきであるとして検討しております。この状況を打破するには、画一化している診療報酬を産婦人科医などに傾斜配分するなど、国に強く要望する次第であります。

 来春から近隣市町村の分娩取扱い医療機関は、東根市一ヵ所、天童市二ヵ所、寒河江市二ヵ所の五ヵ所になりますが、当病院では、従来どおり妊産婦健診、婦人科検診のほか一般外来も継続します。分娩については、県内病院で組織する蔵王協議会の特段のご配慮により、他病院で安心して出産できるよう万全を期しております。

 今後とも、伸びゆく東根市にとって産婦人科医はなくてはならない大切なことであります。継続して努力していきたいと思っております。

平成29年11月 北村山公立病院 産婦人科分娩休止を考える