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 「東根さくらんぼ」は、味わい・見た目ともに最高品種といわれる「佐藤錦」を主要品種としています。佐藤錦は、さわやかな甘さと程よい酸味のバランスに優れた食味の良さから、初夏を代表する味覚として贈答用の需要も多く、高い評価を得ています。
 佐藤錦は、東根市を発祥の地とし、昭和3年に命名され、世に出されました。【佐藤錦誕生秘話へ】
 以来、先人の努力と研さんにより栽培技術の確立が進み、今日に至っています。さらに佐藤錦の栽培技術は、さくらんぼの品種全般にわたる品質と生産量の向上に大きく貢献しており、東根市は全国一位のさくらんぼ生産量を誇っています。

自然~気象・土壌

「東根さくらんぼ」の特性1 一般的に昼夜の寒暖差は果樹の生育に好影響を与えるとともに、果実の甘みを引き出すとされています。「東根さくらんぼ」の生産地は、果実の成熟期となる6月の最高気温が26.2℃、最低気温が14.0℃(平成27年)で日較差が約12℃に達します。また6月は梅雨の時期となるものの、当生産地は比較的降雨量が少なく日照時間が長いことも、食味に好影響を与えています。
 土壌は、奥羽山系の乱川扇状地をはじめとする、域内の河川により形成された水はけの良い礫質褐色低地土が広がっています。これは排水と通気性を好むさくらんぼ栽培に適しており、土壌水分が少ないことが果実の濃い甘みにつながるとされています。

人と技術

「東根さくらんぼ」の特性2 「佐藤錦」は東根市で生み出され、世に出されましたが、当時から栽培意欲が高く、品質向上に努力を惜しまない生産者が多く、生産技術の向上や品質の安定化に努めてきたこともあり、高品質のさくらんぼを安定的に生産できるようなりました。
 その一例が、東根市で開発された「雨よけ施設」です。園地にビニールシートを張って樹を覆うことにより、果実に雨があたることで生じる「実割れ」を防ぐ施設です。雨よけ施設の普及により、良品の安定生産が可能となり、急速な佐藤錦の栽培拡張につながりました。
 現在でも、収穫期を早めるための加温ハウス設備の拡充や栽培技術の指導などハード・ソフト両面から生産技術の向上が図られているほか、若手生産者で構成される「東根市果樹研究連合会」が技術の研さんを続けるなど、全市を挙げてさらなる品質向上に努めています。

「さくらんぼ」にこだわったまちづくり

「東根さくらんぼ」の特性3 東根市では、「さくらんぼ」にこだわったまちづくりに取り組んでいます。全国でもまれな果物名を冠した「さくらんぼ東根駅」。平成14年から開催している「さくらんぼマラソン大会」は、参加者が1万2千人を超える国内有数の観光マラソンに成長しました。また「さくらんぼ種飛ばし大会」も東根市を代表するイベントとなっています。
 さらに、首都圏や主要市場でのプロモーション活動、市長とJA組合長によるトップセールスの実施など、農業関係団体や行政を含む地域を挙げた取り組みを行うことで「さくらんぼ=東根市」のイメージの発信に努めてきました。
 これらの取り組みが評価され、平成27年6月には天皇、皇后両陛下が来訪され、市内のさくらんぼ園地を視察されました。

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