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東根小学校の校庭にそびえる、国指定特別天然記念物の大ケヤキ。東根の大ケヤキは、南北朝時代(1347年ころ)小田島長義が築いた東根城内に植栽されていたものといわれる。

大ケヤキ1

高さ 28m   根回り 24m
目通りで幹周は16m   直径 5m
樹齢1500年以上と推定される
昭和32年9月11日  国指定特別天然記念物


 東根小学校の校庭の一隅にあるケヤキの巨木である。老木の場合、必ず問われるのは、樹齢何年かということである。
 「東根の大ケヤキ」については、この種の記事として、国の文化財審議会専門委員で東京大学名誉教授本田正次博士の「植物文化財」には一千年以上となっている。
 近年、市当局の事業で老木樹勢活力のため、植物学的に環境改善がなされ、県立林木試験場の大津正英農学博士によれば、樹齢千五百年以上であり、今後、数百年は樹勢ますます盛んであって、全国の「ケヤキ」番付の「東の横綱」の座が保障できよう、と太鼓判を押されたと聞く。とかく老樹・巨木のたぐいが邪魔者扱いにされ、次々と姿を消していく昨今、まことにうれしいニュースである。

大ケヤキ2

 東根は歴史の町であり、正平2年(1347)今から643年前、小田島長義が始めて、この地に東根城を築城したと伝えられ、その後、坂本氏、里見氏が代々城主となり、元和8年(1622)最上家改易に伴い東根城も廃城、寛文元年(1661)に城は破却され、その跡地に愛宕神社が建立、周辺は畑地となった。
 江戸末期の松前藩東根陣屋絵図をみると、現在の「大ケヤキ」と明治18年に枯れたといわれる「雄ケヤキ」の他に、旧本丸、二の丸周辺に「ケヤキ」22本が植栽されていたことがわかる。
 小学校の大ケヤキは、これまで入学、卒業していった児童生徒の心の支えであり、かつ希望のシンボルでもある。
 郷里を思う時、春夏秋冬、特に五月中旬ごろ、老樹の各枝から萌黄色の若葉が一斉に芽を吹く時、老樹の力強さに心を打たれる。昭和32年9月11日、文部省・特別天然記念物指定となる。

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